お正月ですから、平成31年の大相撲を展望する、ということで・・・ありがちですが。去年の初優勝力士、栃ノ心・御嶽海・貴景勝の、今年の活躍は果たしてどんなもんでしょうか、という話です。
抜群の力強さで、ワクワクするような四つ相撲を見せての優勝だった栃ノ心、一気に綱との勢いだったけどケガで一頓挫。ケガを治すことが第一だろうが・・・。
ケガを考慮してか、それとも大関の地位を意識してか、とにかく前に出ることを意識している相撲が多かった、と思う。それが徹底されていたためか、無理矢理にでも前へ出る場面があったと感じる。何かバタバタしたような。足の状態が万全になれば、バタバタした相撲は無くなるだろうけど。
しかし、まぁ今のところは、乱暴な攻めという感じは否めない。だから、四つ相撲になるための先制攻撃にもなっていない。体勢も崩れ気味だから、次の展開につなぐという意味合いでの攻めでもない。遮二無二前に出るのは、向いていないのかも。原点回帰がおススメ。
御嶽海は前回のコラムで書いた、最近聞かれなくなった「調子相撲」の典型のような昨年の後半だった。九州場所では高安・貴景勝・逸ノ城に勝って7勝8敗、という結果に現れている。
ここ一番には強いが、どの取組も「ここ一番」という感じ。誰に対しても「負ける」という感じはしないが、誰に対しても「強い」という印象は薄い。「これが御嶽海」というものを見せられるかが、今年のテーマだ、と思うが・・・。
しかし、大関になる力士は「コレッ」という型を持つべきというのは、昭和の世代が持つ、一つの固定観念なのかもなぁ・・・。御嶽海はこのまま変わらず、このまま地力をつけていく、となるような気がする。少しずつでも。
ということで一頓挫の栃ノ心と御嶽海だが、来たる初場所に真価が問われるのは貴景勝。かなりヤレると思う。離れた相撲で、今の貴景勝にはなかなか勝てない、はずだ。だから、押し相撲の力士にとって貴景勝攻略は厳しい。
そして現在、押し相撲の力士の割合は高い。だから10勝ぐらいは余裕で出来そうなのでは、と予測される。ならば四つ相撲、白鵬と鶴竜の出番となるわけだ。貴景勝にとっては、両横綱との勝負になる。
しかしながら白鵬も鶴竜も、もう33歳だ。今年で34歳。貴景勝との勝負、さらに栃ノ心や御嶽海との勝負も含めてだが、平成31年は横綱として、かなり厳しい年になるだろうなぁ。世代交代は確実に進む。
進むとは言っても、横綱候補の出現とまではいかない。初場所での貴景勝が、かつての千代の富士のような大躍進を見せれば話は違うが。そこまでは・・・無いと思う。10勝ぐらいは余裕、なんて予想しといてアレだけど。
私が大相撲を見始めてから、大鵬・玉の海・北の湖・千代の富士・貴乃花・朝青龍・白鵬と、55年ほども常に特A級の横綱が連綿と君臨してきたが、ついに本命なき時代を迎えるのかな、昭和30年前後のような。それはそれで、今までに見たことの無い土俵の景色だ。
月刊「相撲」新年号の表紙は貴景勝だ。新年号の表紙から横綱・大関が外れたことがあったか、ちょっと記憶がない。大相撲の現状を象徴している。
>>ついに本命なき時代を迎えるのかな
横綱玉の海急逝後の昭和47年は、年6場所全て優勝力士が異なっていた。千代の富士引退後の平成3年4年は、千代の富士を含む4横綱が相次いで引退して平幕優勝力士が4人出た。
ただ直後に輪島や北の湖、曙や貴乃花が横綱に昇進して混沌とした状態から抜け出した。
昭和30年前後は評論家から「横綱なんか4人もいらないんだ!」と罵倒されるような状態だったと言われる。平成31年の混沌は長引くだろうか。誰か救世主が現れるか。
shin2さんへ
コメント、ありがとうございます。
初場所の最大の話題は貴景勝の活躍でしょうが、平成31年は今まで以上に幕下以下の力士に目が行きます。幕下どころか、三段目以下の力士の動向に目が行きそうな感じがします。今回は、輪湖・曙貴以上に間隔は空くかもしれないですね。