大相撲名古屋場所4日目、白鵬の休場は残念ですが、それ以上に残念だったのは引き技が目立ったことでした。不機嫌そうな北の富士に対して、「今の一番は攻防がありましたね」と同意を促すようなアナウンサーも如何なものかと。
3日目は高安VS千代の国の熱戦があって、栃ノ心の吊り出しも見られ(吊り出しを出させた松鳳山も光っていた)盛り上がっただけに、淡白な一日との印象になった。
実際のところは引き技そのものを批判するわけではなく、それで決まってしまうから寂しいわけだ。だから、錦木や竜電のような相撲に大相撲らしさを感じてしまう。
錦木は地味すぎるほど地味だが、「土の匂いがする力士」と感じます。人気が出にくいタイプの力士かもしれないけど、上位に挑戦してほしい力士です。
そして今場所、いよいよ御嶽海がブレイクするのか、というのが一番の注目となってきております。と言うか、白鵬も休場してしまって、上位陣の勤続疲労がリミットを超えてしまってからの世代交代では辛い。
若手力士の勢いも落ち着いてしまった今、御嶽海に掛かる期待は大きい。御嶽海の状況判断に長けた取口は、ともすればスケールの小ささを思わせるものがありました。それでも、それが徹底されれば強烈な個性になります。
充分すぎるほどの体重もあって、廻しの位置も高い力士ですが、ヒザから下が引き締まっているのが一番の特徴でしょう。アスリートとしてのポテンシャルを感じます。上位陣の力が落ちての世代交代では面白くない、今場所です。
それと今場所は、物言いが少なくて気持ちが良いですね。変なタイミングの物言いとか、とりあえず物言いにしようとか(そうではないのでしょうが、そう見えていた)が無い。
これも貴乃花親方の無言の圧力なのかも、審判委員の緊張感は土俵を引き締めていると感じる名古屋場所ですね。